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2026/10/14
脂肪溶解注射の効果|必要な回数と、知っておきたい未承認薬のこと

食事や運動では顔まわりの脂肪が落ちにくいものです。かといって、メスを入れる手術には抵抗があるという方も多いのではないでしょうか。そこで「切らずにできる」脂肪溶解注射を検討される方が増えています。
まず事前にお伝えしておきたい重要なポイントが2点あります。
1点目は、期待する効果を得るための施術回数は3〜5回が目安となり、1回で劇的な変化が得られるわけではない点です。
2点目は、この治療で使用される薬剤には、日本国内で薬機法上の承認を受けていないものが多く含まれるという点です。これは隠すべきことではなく、施術を受ける前に必ず知っておいていただきたい情報です。
この記事でわかること
- 必要な回数と、効果が現れる時期
- 使われる薬剤の承認状況
- ダウンタイム・副作用と、対応できる部位
まず結論|必要な回数は3〜5回が目安です

1回でも変化を感じることはあります
注射を受けたあと、1回目から変化を実感される方もいらっしゃいますが、その感じ方には個人差があります。また、納得のいく効果を得るためには複数回の施術を重ねることが一般的です。
ただし「期待する効果」には複数回が必要です
一般に、期待する効果を得るには3〜5回の施術が必要とされています。
なぜ複数回必要なのかというと、脂肪の量や範囲は人によって異なり、1回に注入できる量にも限りがあるためです。範囲が広い場合や、脂肪の厚みがある場合ほど、回数は増える傾向があります。
| 回数の考え方 | 内容 |
|---|---|
| 1回目 | 変化を感じる方もいますが、個人差があります |
| 3回目ごろ | 一般に、変化が分かりやすくなるとされる時期です |
| 3〜5回 | 期待する効果を求める場合の目安とされています |
総額で考えてください
当院の脂肪溶解療法は、10cc注入 16,500円(税込)で、追加1ccあたり1,650円(税込)です(自由診療)。
1回に注入できる薬剤の量には上限があるため、施術範囲や脂肪の厚みに応じて、複数回に分けて投与を行います。カウンセリングの際に、総額の目安をご確認ください。
どういう仕組みで脂肪に働くのか
デオキシコール酸という成分
脂肪溶解注射に用いられる代表的な成分に、デオキシコール酸があります。これは、もともと体内にある胆汁酸の一種です。
胆汁酸は、食事で摂った脂肪を分解・吸収しやすくする働きを持っています。この性質を利用して、脂肪細胞の細胞膜に作用させるというのが基本的な考え方です。
なお、当院で使用しているリポラボ Vラインには、デオキシコール酸は含まれていません(後述の「当院で使用する薬剤について」をご覧ください)。
「脂肪が溶けてなくなる」わけではありません
「脂肪溶解」という名前から、注射をすれば脂肪がその場で消えるという印象を持たれるかもしれません。
実際には、作用を受けた脂肪細胞が、時間をかけて体外へ排出されていくという経過をたどるとされています。そのため変化はゆるやかで、注射の直後に見た目が変わるものではありません。
使われる薬剤は、日本では承認されていないものが多くあります

ここが、この記事で最もお伝えしたい部分です。
未承認医薬品であるということ
脂肪溶解注射に用いられる製剤には、日本の医薬品医療機器等法上の承認を取得していないものが多くあります。
医薬品として国内で承認を受けるには、有効性と安全性について国の審査を通る必要があります。未承認の医薬品は、この審査を経ていません。
これは「危険だ」と決めつける話ではありません。ただ、国内の審査を経た医薬品とは、確認されている情報の量と性質が異なるということです。
国内で承認された同種の医薬品について
デオキシコール酸を有効成分とする注射剤は、日本国内では承認されていません。また、脂肪を減らすことを効能・効果とする注射剤で、国内の承認を受けたものもありません(医薬品医療機器総合機構〈PMDA〉の医療用医薬品の添付文書検索で確認、2026年10月時点)。
美容医療で用いられる脂肪溶解注射の多くは、海外から個人輸入された未承認医薬品や、異なる目的の製剤(適応外使用)である場合が少なくありません。施術を受ける際は、使用する薬剤が国内承認薬か未承認薬かを事前に確認することが重要です。
諸外国での扱い
デオキシコール酸を有効成分とする製剤は、米国では承認されています。
ただし、海外で承認されているからといって、日本での安全性や有効性が公的に保証されているわけではありません。また、承認対象となる部位や適応基準も国によって異なります。
自由診療として未承認薬を提供する場合、医療機関には、これらの諸外国での承認状況や報告されている重大な副作用について、患者様へ日本語で十分に説明する義務があります(医療広告ガイドラインによる規定)。
当院で使用する薬剤について
当院の脂肪溶解療法では、韓国製の「リポラボ Vライン(Lipo Lab V-Line)」を使用しています。この薬剤について、施術の前に知っておいていただきたいことを次にまとめます。
未承認医薬品であること:リポラボ Vラインは、日本の医薬品医療機器等法(薬機法)に基づく承認を受けていない未承認医薬品です。前述のデオキシコール酸は、成分として含まれていません。
入手経路:当院の歯科医師が、個人輸入等の手続きにより入手しています。
国内の承認医薬品の有無:前述のとおり、脂肪を減らすことを効能・効果とする注射剤で、国内の承認を受けたものはありません。リポラボ Vラインと同じ効能・効果をもつ国内の承認医薬品もないため、自由診療(保険適用外)として使用しています。
諸外国における安全性等の情報:米国FDA(食品医薬品局)は、「Lipo Lab」という名称で販売されている製品を含む未承認の脂肪溶解注射について、米国での承認がないことを警告しています。さらに、使用後に消えない傷あと、重篤な感染症、皮膚の変形、のう胞(液体の溜まった袋)、深く痛むしこりなどの有害事象が報告されているとして注意喚起を行っています。
当院が使用する「リポラボ Vライン」について、医薬品として公的に承認している国の情報は現在確認されていません。そのため、いまだ明らかになっていない重大なリスクが存在する可能性があります。
医薬品副作用被害救済制度:国内の承認医薬品とは異なり、リポラボ Vラインによる副作用は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外です。
施術の前には、歯科医師が成分、期待される効果、副作用(腫れ、内出血、アレルギー反応など)をご説明します。わからない点は、その場でお尋ねください。
未承認の医薬品を用いる治療で、確認すべきこと
実際にカウンセリングや受診をされる際に、事前に確認しておくべき重要なポイントを整理します。
医療機関に説明が求められている事項
厚生労働省の「医療広告ガイドラインに関するQ&A」は、次のように定めています。
わが国の医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下「医薬品医療機器等法」という。)において、承認等されていない医薬品・医療機器、あるいは承認等された効能・効果又は用法・用量が異なる医薬品・医療機器(以下「未承認医薬品等」という。)を用いた治療について、限定解除の要件を満たしたと判断される場合には、広告可能です。
さらに、承認はあるが効能・効果が異なる場合(適応外使用)についても同じ扱いであることが明記されています。
医薬品等について、当該効能・効果への承認がない適応外使用の場合、広告の取り扱いも未承認医薬品等と同様です
必要とされる明示は次の4点です。
| 明示すべき事項 | 内容(Q&Aの記載より) |
|---|---|
| 未承認医薬品等であること | 医薬品医療機器等法上の承認を得ていないものであることを明示する |
| 入手経路等 | 医師等の個人輸入による場合はその旨を明記する。国内承認された同成分の医薬品がある場合でも入手経路を明示する |
| 国内の承認医薬品等の有無 | 同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等の有無を記載する |
| 諸外国における安全性等に係る情報 | 主要な欧米各国で承認されている場合は、各国の添付文書に記載された重大な副作用や使用状況を日本語で説明する。承認されている国がないなど情報が不足している場合は、重大なリスクが明らかになっていない可能性があることを明示する |
出典:医療広告ガイドラインに関するQ&A(Q2-13/Q2-14)(厚生労働省)
とくに最後の項目に注目してください。承認している国がないなど情報が不足している場合は、「重大なリスクが明らかになっていない可能性がある」と示すことが求められています。 安全性が確認されている、という意味ではありません。
これらは、患者様が説明を受けられる事項です。 質問することに遠慮は要りません。
副作用が生じた場合の救済制度について
国内で承認された医薬品を適正に使用したにもかかわらず重篤な副作用が生じた場合は、「医薬品副作用被害救済制度」という公的な救済制度の対象となります。
一方、個人輸入した未承認の医薬品を用いた治療によって副作用が生じた場合、この公的救済制度の対象外となります。
当院で使用しているリポラボ Vラインは未承認医薬品のため、この制度の対象外です。
これらのリスクや公的制度における制限をお伝えするのは、不安を与えるためではなく、事前にメリット・デメリットの双方をご理解いただき、ご自身で納得のいく判断をしていただくためです。
効果が現れる時期と持続
すぐには変わりません
前述のとおり、作用を受けた脂肪細胞が排出されるまでには時間がかかります。注射の翌日に見た目が変わることはありません。
加えて、施術後には腫れが生じることがあります。腫れている期間は、かえって施術前より膨らんで見えることがあります。これはダウンタイム中の正常な経過です。自己判断で効果がないと決めつけず、まずは腫れが落ち着くまで様子を見てください。
持続について
脂肪溶解注射によって破壊された脂肪細胞は再生しませんが、暴飲暴食や運動不足などの生活習慣によって残った脂肪細胞が肥大化すると、再び脂肪が目立つようになる場合があります。効果を持続させるためには、施術後も適度な運動やバランスの良い食生活を意識することが大切です。
ダウンタイムと副作用

施術後には、次のような症状が生じることがあります。
| 症状 | 続く期間の目安 |
|---|---|
| 腫れ | 数日〜1週間程度 |
| 内出血 | 1〜2週間程度 |
| 痛み | 個人差があります |
| 熱感・赤み | 数日程度 |
| しこりのような触感 | 個人差があります |
いずれも個人差があります。 また、上記以外の症状が生じる可能性もあります。
強い痛みや腫れが続く場合、発熱がある場合は、自己判断せずご連絡ください。
施術当日から数日の過ごし方
効果や見た目の経過には、施術後の過ごし方も関わります。一般に案内される注意点をまとめます。
| 時期 | 気をつけること |
|---|---|
| 当日 | 激しい運動、長時間の入浴、サウナ、飲酒を控えます |
| 当日 | 注射した部位を強くもんだり、圧迫したりしません |
| 数日間 | 腫れが出た場合、無理に隠そうとせず経過を見ます |
| 数日間 | 内出血が出た場合、時間とともに色が変化します |
| 経過中 | 気になる症状があれば、自己判断せず連絡します |
当院での具体的なアフターケア方法や注意事項につきましては、施術時に担当医師・スタッフより詳しくご案内いたしますので、ご不安な点がございましたらお気軽にご相談ください。
予定から逆算してください
前述のとおり、内出血は1〜2週間残ることがあります。
結婚式、写真撮影、重要な商談など、人前に出る大事な予定がある場合は、その日から十分に余裕をもったスケジュールで施術をご検討ください。「来週までに顔まわりをすっきりさせたい」といった直近のご希望は、ダウンタイムの症状(腫れや内出血)がイベント当日に重なるリスクがあるため、安全第一の観点から施術をおすすめできない場合があります。
受けられない場合・慎重な判断が必要な場合
次に当てはまる方は、施術を受けられない、または事前の確認が必要です。
| 状態 | 対応 |
|---|---|
| 妊娠中・授乳中の方、妊娠を計画されている方 | 受けられません(母体や胎児への安全性が確立されていないため) |
| 施術部位に感染や炎症がある方 | 治まってからの判断となります |
| 薬剤の成分にアレルギーがある方 | 受けられません |
| 服用中のお薬がある方 | 内容の確認が必要です |
| 持病の治療中の方 | 主治医への確認が必要になる場合があります |
ご自身で判断せず、現在の状態と服薬内容を必ずお伝えください。
対応できる部位と、できないこと

当院の施術対象はフェイスラインです
当院の脂肪溶解療法は、フェイスラインを対象としています。
歯科医院として、口もとから顎まわりの領域を扱っています。
全身の痩身を目的とする治療ではありません
お腹や太ももなど、全身の痩身を目的とされる場合、当院では対応しておりません。
また、脂肪溶解注射そのものが、体重を減らす治療ではありません。 対象となるのは、部分的な脂肪の厚みです。
体重を落としたい、全身のラインを変えたいという目的であれば、この治療は適していません。
骨格や筋肉が原因の場合
フェイスラインが気になる理由は、脂肪だけとは限りません。
| 原因 | 脂肪溶解注射との関係 |
|---|---|
| 皮下脂肪 | 対象になります |
| 咬筋の発達(食いしばりなど) | 対象外です。別の方法が検討されます |
| 骨格(下顎角) | 対象外です。骨格は変わりません |
| むくみ | 対象外です |
| 皮膚のたるみ | 対象外です |
原因が皮下脂肪以外である場合、脂肪溶解注射による十分な効果は期待できません。まずはカウンセリングや診察を通じて、フェイスラインのお悩みの原因が何であるかを正確に見極めることが大切です。
咬筋の発達が原因の場合については、[エラ張りとマウスピースについての記事]で扱っています。
他の方法との違い
顔まわりの脂肪や輪郭に対しては、他にも方法があります。
当院では、脂肪吸引やHIFU(高密度焦点式超音波)などの施術は行っておりません。
これらの方法には、それぞれ異なる特徴と負担があります。ご自身の目的や体質、許容できるダウンタイムの長さに合わせて、最適な方法を検討されることをおすすめします。
ご検討の際は、それぞれの方法を扱っている医療機関で、直接ご確認ください。
費用とリスク・受ける前の確認事項(自由診療)
治療内容:フェイスラインの皮下脂肪に薬剤を注入し、脂肪細胞に作用させます。部分的な脂肪の厚みを減らすことを目的とします。
費用(当院)
| 項目 | 費用 |
|---|---|
| 脂肪溶解療法 | 1ccあたり1,650円(税込)/10cc 16,500円(税込) |
※ 施術する範囲と量によって変わります。3〜5回必要とされるため、総額はその回数分になります。詳細は美容診療のページおよび料金案内をご確認ください。
リスク・副作用(前述の内容を含みます)
- 腫れ、内出血、痛み、熱感が生じることがあります
- 効果の程度には個人差があり、期待される変化が得られない場合があります
- 複数回の施術が必要とされ、費用は回数分かかります
- 使用する薬剤(リポラボ Vライン)は日本国内で承認されていない未承認医薬品で、医薬品副作用被害救済制度の対象外です
- 生活習慣によっては、施術後に見た目が戻ることがあります
受ける前に確認しておきたいこと
| 質問 | なぜ聞くのか |
|---|---|
| 「使用する薬剤は何ですか。国内で承認されていますか」 | 未承認薬を用いる場合、説明を受ける権利があります |
| 「私の場合、原因は脂肪ですか」 | 原因が違えば効果は期待できません |
| 「何回くらい必要ですか。総額はいくらですか」 | 1回の金額だけでは判断できません |
| 「ダウンタイムはどのくらいですか」 | 予定と照らして判断できます |
| 「副作用が出た場合、どう対応しますか」 | 事後の対応を確認できます |
これらはカウンセリング時に遠慮なく質問していただきたい重要な確認事項です。特に使用する薬剤の安全性や国内承認の有無については、納得のいく施術を受けるために必ず確認しておきましょう。
よくある質問
Q. 1回でどのくらい変わりますか。
A. 個人差が大きく、一律にはお答えできません。期待する効果を求める場合は3〜5回が目安とされています。
Q. なぜ日本で承認されていない薬を使うのですか。
A. 脂肪を減らすことを効能・効果とする注射剤で、国内の承認を受けたものがないためです。当院で使用しているリポラボ Vラインも韓国製の未承認医薬品で、自由診療として使用しています。成分、期待される効果、副作用、入手経路は、事前のカウンセリングでご説明いたします。
Q. リバウンドしますか。
A. 脂肪細胞が減っても、生活習慣によって残った細胞が大きくなれば、見た目は戻ります。施術だけで体型が固定されるわけではありません。
Q. 顔以外もできますか。
A. 当院ではフェイスラインを対象としています。全身の痩身を目的とする治療は行っておりません。
Q. 痛みはありますか。
A. 注射に伴う痛みや、施術後の熱感・痛みが生じることがあります。程度には個人差があります。
まとめ
- 期待する効果を求める場合、3〜5回が目安とされています。1回で大きく変わるものではありません
- 費用は1ccあたり1,650円(税込)、10ccで16,500円(税込)(自由診療)。総額は回数分かかります
- 使われる薬剤には、日本国内で承認されていないものが多くあります。当院で使用するリポラボ Vラインも未承認医薬品で、医薬品副作用被害救済制度の対象外です
- 腫れは数日〜1週間、内出血は1〜2週間残ることがあります
- 当院はフェイスラインが対象です。全身の痩身は行っておりません
- フェイスラインのお悩みの原因が脂肪以外(咬筋の発達・骨格・むくみ・たるみなど)である場合は、本施術による効果が期待できません
- 生活習慣によっては、施術後に見た目が戻ることがあります
ご相談はお問い合わせから承っています。
監修者
院長:國分 直樹(こくぶん なおき)
参考文献
- 医療広告ガイドラインに関するQ&A(Q2-13/Q2-14)(厚生労働省)
- 個人輸入において注意すべき医薬品等について(あやしいヤクブツ連絡ネット運営事務局|厚生労働省)